見切り発車

ひと月ほど前に気になる人がいたのだけど、なんだか自分が無理に恋愛をしようとしているような気がして連絡を取るのをやめてしまった。最近よくその人を道で見かけるのだけれど、車道の向こう側を歩いていたり、友達と話していたりして話しかけるまでには至らない。ずっとこんな感じの距離感。間。

今日は勉強が全くはかどらなくて、なんともなしにSNSを眺めていたら、相手の人が割と私のつぶやきに反応していたことに気がついてもしかしたらそういう可能性もあったのかもなと今になって思う。思えばなんとなく好きだったような気もして、でも今更なような気もして、やっぱり面倒になって、ここから距離を詰めるのを諦めてしまうのだった。完。

誰かに猫可愛がりされたいけど、そのために支払う代償が大きいからとそんな風に損得で考えてしまう私はやっぱり恋愛には向いていない気がするし、人を好きになるということが根本的に理解できてない気がする。「宗教風の恋をしてはいけないよ」と宮沢賢治は言ったけど、宗教的に、妄信的に、犬みたいに忠実に誰かを好きになることができないのならば、私も誰かに好きになってもらうことなんてできないのではないかなと思う。

 

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それにしても、手と手が触れ合っても暖かいと感じるのは片方だけなのに誰かと手をつなぎたいと思うのはどうしてなんだろう。

相手より暖かい、または冷たい自分を知って安心するためなのか。

それとも冷たい恋人の手のひらよりも、外気の方がいくらか冷たいからなのか。

 

 

 

 

 

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雪!