駆け抜けて清純

 

肉食べたい。ベーシックなやつじゃなくて、ハツみたいなちょっと癖のあるやつ。そんで焼肉くさい身体をひっさげて、海に行きたい。

あの子を誘ってみようかな、忙しいかしら。

でもきっと私の方が忙しいからやめておこう。今日は海には行かない。甘えちゃいけない。

 

レポートに追われている時に限って、何かに何かを書きたくなる。たまたま今手元にあったのがスマホだからここに書き込んでいるけれど、きっと手元にいい感じに結露した窓ガラスがあれば、そこに何かを書き込んでいると思う。

英語の論文を読めなんて先生は言うけれど、わたしにはちょっと難しいです。でも単位のためなら少しは頑張ります。

 

今日は快晴。雲ひとつない青空なのに飛んでる鳥はカラスしかいない。けれども晴れは晴れ。心配事が自分の心から50歩くらい遠のく。そのままどっか行っちまえばーかって思いながら踵を鳴らす。

イヤホンから流れる青春ロックにリズムを合わせて歩いてると向かい風も別に嫌じゃないなと感じる。鼻水が出てくるのは困りものだけれど、今日はティッシュを持っているのでいつもよりは困らない。

 

 

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あの子 こと、

たぬき(仮名)は本当に素敵な女の子だ。

彼女といると笑いが絶えないし、心があったかくなる。

 

5限の後、図書館の二階で待ち合わせて大学前のセンジで一緒に夜ご飯を食べた。私は激辛麻婆定食で、彼女は豚の角煮定食だった。2人とも空腹だったのでついでに小籠包も頼んだ。

 

私とたぬきにとっての最近の関心ごとは、高尚な下ネタだ。今日は声をひそめてパンツの話をしていた。

男性のパンツの前方の、布が重なっているところに穴が空いている事を私が知ったのは最近のこと。私のなかではなかなかセンセーショナルなニュースだった。これは彼女に教えてあげなければな、きっと知らないだろうと思い、得意げに小声で「ねえ知ってる、男の人のパンツって前のところ、穴空いてるんだよ」って言ってみる。

するとなんと驚くべき事に彼女はそれをとっくに知っていたのだった。お父さんのだるだるのパンツをよく畳んでいたそうだ。「さすがにそんな事知ってるよ」と言われて私は少し負けた気分になった。

その後彼女が、男性のお腰につけたきび団子の数を1つだと勘違いしていたことが発覚したので私が再びマウントを取った。いやいや2つあるのよ知らないの?と言ったら、「え、どうついてるの?」と言う彼女。両足に一個づつ付いていると思ったらしい。いやさすがに重症だと思う。いつも思うけど、どうやって生きてきたんだろう。保健体育がない地域だったのだろうか。

「なんで2つなの?」と彼女に言われて調べて知ったが、1つが潰れても大丈夫なようにだそうだ。本当なんだろうか。

 

そんな話をしていたら、いつのまにか時計が8時を回っていた。さすがにと思い店を出る。

歩いている間もずっと2人で笑っていた。途中大きな流れ星が流れた。見てたのは私だけだった。突然彼女が笑いすぎて、お腹を抱えて地面にしゃがみこむくだりが何度もあり、それを引っ張り引っ張り歩いたら、センジからセブンまでの距離なのに20分はかかった。

 

帰りに高いチョコレートアイスを買った。

 

「私、あいえさんロスだったんだから」なんて言ってくれる子なかなかいない。

また遊んでね。っていつも帰り際に叫んでる。